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2007年4月 9日 (月)

DREAM DOLPHIN

2007年4月9日。
以前から「この年、この日のブログはぜひこれを書こう」と思っていました。
今から書く文章は完全な自己満足あり、これを書いたところで「何書いてるの?」と言われそうですが、10年前のこの日、自身にとっては忘れられない日でしたので・・・。


DREAM DOLPHIN(ドリームドルフィン)”という音楽アーティストがいます。というより、正確には『いました』でしょうね。
もう20世紀のことなのですが、当時自身に大きな衝撃を与え、そして今も自身の中で衝撃を与え続けているアーティストです。

1996年のある日、何気にCDショップへ行って、何気に目についたジャケット。何気に買ってしまったのが“彼女”との付き合いの始まり。

1980年生まれ、当時16歳のNORIKOと名乗るひとりの少女。そんな彼女が何かよく判らないが聞いたことのない音楽を奏でている(実際にはFIREとWATERという覆面のアーティストがいて、作曲面では彼らのサポートによるところが大きい)。
当時、民族音楽とかに興味を持っていた自分にとってすんなり受け入れられたその音。アンビエント(環境音楽の一種)というジャンルに入れられていたものの、なんとも言えないリズム感と浮遊感。

96年は3ヶ月連続で毎月アルバムをリリースし、それが1枚1800円という格安なお値段だったので、次第にそろえていくようになります。その3枚(+シングル何枚か)の中に、アンビエント/ハードコア/テクノ/ハンドバッグというあらゆるジャンルがハイスピードで展開していく。なんか面白い音楽だなと思っていました。

しばらくして、このアルバムがDREAM DOLPHIN(以下D.D.)のファンとなる決定打となりました。
Atmosperichealing96年10月発売の4作目『atmospheric healing』。このアルバム以降、発売日当日に必ず購入するように。
当時何気なく流行していた『ヒーリング』を全面に打ち出した作品。これが非常に癒される。イタリア歌曲を学んでいたというNORIKOのゆるやかなラップに完全に打ちのめされていました。

・・・それから半年。
初期はほぼ毎月リリースしていたD.D.としては異様に長いスパンで生まれた5作目のアルバム『2001』がリリースされます。
2001後にも先にもただ1枚、その後出された2枚組のアルバムを除けば唯一2000円を超えたこのアルバム。値段がどうこうではないのですが、それだけ内容が濃く、どんなジャンルを入れようとしても決して当てはまることのできない仕上がり。CDで入るギリギリの70分、あのキューブリックの名画『2001年宇宙の旅』にインスパイアされたというこのアルバムは最初から最後まで通しで聴くことによってストーリーが出来上がる構成としながら、映画と同様、1曲1曲の音作りや詩が非常に難解で、決して最後まで理解されることのない作品に仕上がっています。


2001obi_1
曲目と、帯にある解説。どんなアルバムなのかは読んだだけは全くわからない・・・。

D.D.ファンにとっては前作『atmospheric healing』が最高傑作だと推す人が多いのですが、自分は誰がなんと言おうとこの『2001』こそ最高傑作だと断言します。また、今まで購入したあらゆるアーティストの全てのアルバムの中でも、このアルバムは間違いなくトップ3に入ると確信します。

その『2001』が発売されたのが10年前の今日、1997年4月9日なのです。
だからこの日はこのことを書きたかったのです。

あらゆる地域の民族音楽をサンプリングした心地良いクラブミュージック、緩やかなNORIKOの歌声、そして時に優しく、時には全否定するようなあまりにも過激な詩。全てが素晴らしすぎるゆえ、今聞いても最終的に理解されることはないし(あの映画も何度か見ていますが、見れば見るほど理解できなくなるのと同様)、10年経った今も月に一度は聞くくらいハマりこんでいるのですが、逆に聞けば聴くほど理解できなくなるある種の快感。商業主義とはあまりにもかけ離れた音楽。

まだ20世紀だった頃、近づきつつあった21世紀の陰の部分を感じ取る問題作ですし、既に21世紀になった今でも問題提起を投げかけているような気がしてなりません。

その後、さらにトランス寄りになって詩の過激さが増す方向へ、立て続けにアルバムをリリース。
しかし、時折アンビエント/ヒーリング方面のアルバムが出ると「ホッ」としてしまう。

Allwaysshines98年発表の10作目、『The Sun Always Shines...』。
久々に発売されたヒーリング系、このアルバムには泣きました。
・・・というのも、もちろん発売日に買ったのですが、その頃知人と大ゲンカしてしまい、そんな中で封を開けて聴いていたところ、途中で脳天を突き破る場面が。ちょうどそのときとラップしてしまい・・・。

その後、発売の間隔が徐々に長くなり、2000年の『Forest Songs』が自分の中で最後のアルバムだと思っています。もちろんそのあとも何枚か出してはいますが、既存の曲の焼き直しだったり、いまいちインパクトがなかったり・・・。そしてD.D.としても2003年暮れのアルバム以降、すっかり活動が途絶えてしまいました。

今思えば、当時10代だったNORIKOがあらゆる方向へ、それもハイスピードで貫いた、逆に言えば10代でないとできなかった音楽だったのでは、と思っています。
変なハナシ、20代(2000年以降)はオトナになったのか、逆に言えばそのころにはもうインパクトは薄れた、と言っても過言ではない。

一部では活動を再開してほしいという願望もあるようですが、自分自身にとってD.D.は「むしろ活動を終了してほしい。」と思っています(実は公式には活動を終了したとも、停止しているとも発表していない。あくまで“中断したまま”の状態)。

『2001』の中の一曲。このあと紹介するこのフレーズが一番大好きです。
でも、大好きだからゆえ、いまだその詩の“真の意味”が理解できないでいる。
何度聴いても、時に理解しかかる場面に出ることもあるけれど、結局理解できない。おそらく永遠に探し求め続けることになるのでしょう。


愛は充分にあなたの場所(とこ)に降りそそいでる
ただそれに気づくことがもう1歩前に進むこと
愛は充分に私の場所(とこ)に降りそそいでる
ただそれに気づくことはもう1歩前に進むこと

(“SINCE 1969〜発見されたメッセージと新しい光、宇宙全体との交信”より)

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コメント

DREAM DOLPHIN 懐かしい。この音楽に接した時の衝撃は忘れられません。

NORIKO さんは、かけら風というユニットにポエトリーリーディングで参加していますよ。去年アルバムが発売されています。
http://tenshi-records.net/

投稿: hikoichi | 2007年10月20日 (土) 03:22

hikoichiさま>
初めまして。
D.D.は潜在的に今もファンがいるようで、当ブログへもほぼ毎日アクセスがあります。そんな中コメントしていただき大変感謝です!

かけら風、全く知りませんでした。
貴重な情報をいただきありがとうございます。さっそくチェックしてみます。

投稿: Hassy | 2007年10月20日 (土) 22:55

今はkoko名義で、メガロスというスポーツジムでボイトレのインストラクターをされていますよ。

投稿: sayo | 2015年8月 5日 (水) 17:46

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